谷家屋 -Valley Kazoku Ya - | 奈良県上牧町のセレクトショップ (洋服・小物)

2021/04/23 17:07


広告などのアピールとしてよく使われる言葉、「日本製」


これはファッションに限らず、食品でもよく耳にする言葉ですよね。


では、日本産を選ぶと何が良いのでしょうか?


今回は、特にファッション業界についてクオリティー・雇用・環境の面からそんな疑問に答えていきます。


最後まで読んでいただければ日本製と外国製、どちらを選ぶにしても自信を持って決断できるような記事になっておりますので、ぜひご覧下さい。



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クオリティー




まず初めに、大抵の方が持つイメージから確かめていきましょう。


日本製と外国製の商品が並んでいたとき、大抵の方は日本製の方が価格もクオリティーも高く、外国製の方が価格もクオリティーも低いというイメージを持っていらっしゃるのではないでしょうか?


まず、価格に関してはこのイメージ通りであることが多いです。


ファストファッションと言われる価格帯の低い服はほとんど全て外国製で、実際にUNIQLOでも商品の品質表示タグのほとんどに「カンボジア製」「ベトナム製」などの文字が見られます。


しかし、クオリティに関しては現在あまり差が見られない状況になっています。


特に大きな規模の会社ほど、外国製でもクオリティーは高い傾向があります。


それには、生産管理システムが関係しています。


かつて「中国産は買わない」という人がいた程品質の低いものが生産されていた理由は、現地に技術がないのはもちろん、単純に設備の不十分さや品質チェックの甘さなどがありました。


しかし現在は、大きな規模の会社ほど設備投資をし、現地に品質管理のスタッフを派遣するなどして商品の質を確保しています。


そのため、日本製と外国製のクオリティーはほとんど同じにまで近づいていたり、中には超えているものもあります。





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雇用




では、日本製を買う理由はもはやないのでしょうか?


価格やクオリティーというわかりやすいものではありませんが、日本製を買うべき理由は確かに存在します。


まず一つ目がこの「雇用」という面です。


商品を買うという行為は、その商品が作られるあらゆる過程を肯定し、それを継続させるエネルギーを持っています。


あなたがある商品を買ったら、また同じ商品が同じ方法で作られ、同じ店に届けられるようになるということです。


このように、購買行動は投票のような応援する力があります。


そのため、あなたが外国製の商品を買えばその生産を支持することになり、日本製の商品を買えばその生産を支持することになります。


現在、衣料品の国内生産率は3%ほどですが、このまま進めば国内生産はどんどん衰退していきます。


その結果として待っているのは、今ある高い技術が失われ、クオリティの面ですらさらに日本製が外国製に劣ってしまうという未来です。


また、今私たちが外国製の服を低い価格で買えているのは、物価が安い発展途上国の労働力を安く用いて、そちらに皺寄せがいくような形で生産を行なっているからです。


SDGsのようなフェアトレードの観点からもこれはポジティブな状況とは言えないのに加え、いずれ現在の発展途上国が発展した時に成立しなくなってしまうモデルでもあります。


より持続可能で生産側も無理のない方法で服作りを行なっていくために、また自分が住む国の未来のためにも、日本製の服を購入することには意義があると言えます。






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環境




最後に、環境面でも日本製を買うことのメリットがあります。


理由としては、輸送や生産面での環境負荷を減らすことができるためです。


地球温暖化が大きな問題として取り上げられるようになってから40年ほど経過し、実際に異常気象や災害の多さを実感する機会が増えてきましたが、その原因と言われているのが温室効果ガスである二酸化炭素です。


二酸化炭素排出量に関して、2030年までには現在の半分、2050年には0にしなければ地球の回復力のターニングポイントを超えてしまうと言われています。


その二酸化炭素排出量の内訳を見ると、国内の約20%は運輸部門が占めている事がわかります。

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html


海外から輸入するとなると、単純に海を越える必要があるため輸送が必要になり、国内で完結している商品に比べて多くの二酸化炭素排出につながってしまいます。


また、二酸化炭素排出量以外にも、発展途上国での生産は環境に対しての基準が甘いことも多く、環境負荷が大きい場合があります。


ファッションに関わる例で言えば、服を染める染料や工場から出たゴミの処理が適切になされず、環境破壊につながることもあります。






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最後に


このように、日本製の商品や、ひいては地元の商品を買うことにはかなり様々な意義があります。


もちろん生産の過程は複雑で、最終仕上げだけを日本で行った商品が「日本製」と表記されることもありますので、一概には言えませんが、まずはざっくりと理解することにも意味があると考えています。


これからは作り手と売り手はもちろん、消費者の立場に立つ人たちもリテラシーを高めることが求められています。


この記事が少しでも皆様に新しい気づきを与えられますと嬉しいです。


それでは最後までご覧いただきありがとうございました。


素敵な一日をお過ごしください!





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